
みなさんこんにちは。
はるです。
以前、「やりたいことがない・見つからない」という悩みについて記事を書きました。
その記事では、「今の自分が知っている世界の中に答えがないのであれば、知らない世界へ出て、偶然の出会いを増やしてみよう」ということを書きました。
- 行ったことのない勉強会に参加する
- 違う会社の人と会ってみる
- これまで読まなかった分野の本を読む
そのような行動によって自分の知らない世界に触れ、その中で新しい興味や可能性に出会う。今でも、この考え方は大切だと思っています。
ただ、いきなり知らない世界に出てみようと言われても、「そもそも、どこへ向かえばいいのか分からない」と感じる人もいるのではないでしょうか。
「やりたいことは何ですか?」
そう聞かれると、私たちはつい、人生をかけて成し遂げたいことや、社会に大きな影響を与えるようなことを答えなければならないという気持ちになります。
しかし、そのような大きな問いに、すぐ答えられる人は多くありません。
もしかすると、「やりたいことがない」のではなく、最初から考える粒度が大きすぎるのかもしれません。
自己実現だけが「やりたいこと」ではない
人間の欲求を整理する考え方の一つに、マズローの欲求5段階説があります。
一般的には、次の5つの段階で説明されます。
- 生理的欲求
- 安全の欲求
- 社会的欲求、所属と愛の欲求
- 承認欲求、尊重の欲求
- 自己実現の欲求
これは、人の欲求が必ずこの順番どおりに現れるという絶対的な法則ではありません。しかし、自分が何を求めているのかを整理する「ものさし」として見ると、キャリアを考える上でもヒントになります。
というのも、私たちが「やりたいこと」を考えるとき、いきなり最上段の自己実現の欲求だけを探してしまうことがあります。
- 人生を通して、何を成し遂げたいのか
- 自分にしかできない仕事は何か
- 社会にどのような価値を残したいのか
もちろん、これらは大切な問いです。
ただ、まだ十分な経験がない段階で答えを出そうとしても、簡単には見つかりません。見つからない自分に焦り、「自分にはやりたいことがない」と決めつけてしまうこともあります。
そこで、もう少し身近な欲求まで粒度を下げてみてはどうでしょうか。
例えば、社会的欲求や所属と愛の欲求という観点では、次のような「やりたいこと」が考えられます。
「信頼できる仲間と一緒に働きたい」
「一人ではなく、チームで何かをつくりたい」
「困ったときに助け合える職場にしたい」
「社外にも相談できる仲間を増やしたい」
「自分が安心して意見を言える場所をつくりたい」
これらは、人生をかけた壮大な目標ではないかもしれません。
それでも、「どのような人たちと、どのような関係の中で働きたいか」という、自分にとって大切な願いです。
今いるチームの対話を増やしてみる。興味のあるコミュニティに参加してみる。普段あまり話さない人に声をかけてみる。
そうした行動も、十分に「やりたいこと」の一つだと思います。
他にも、承認欲求や尊重の欲求という観点から考えてみると、多くの思いが見えてきます。
「今より難しい仕事を任されたい」
「誰かに頼られる存在になりたい」
「自分の意見をきちんと伝えられるようになりたい」
「得意なことを見つけ、仕事に生かしたい」
「後輩の成長を支えられる人になりたい」
「自分が関わった仕事を、自信を持って語りたい」
この中に一つでも、「少し気になる」「そうなれたらうれしい」と思えるものがあるなら、それは次の行動を考える十分な理由になります。
例えば、「人から頼られる存在になりたい」のであれば、まずは身近な人の困りごとを聞いてみる。「自分の仕事を自信を持って語りたい」のであれば、目の前の仕事が誰にどのような価値を届けているのかを考えてみる。
最初から人生の目的が決まっていなくても、身近な願いを起点に行動することはできます。
小さな「やりたい」の発見から始める
自己実現のレベルでやりたいことが見つからなくても、焦る必要はありません。
まずは、マズローの欲求5段階説でいう自己実現ではなく、社会的欲求・所属と愛の欲求と、承認欲求・尊重の欲求という二つの視点から、自分の現実と理想を整理してみてはどうでしょうか。
今の自分がどのような人たちと関わり、どのような環境に所属しているのか。
現在、自分はどのような仕事を任され、周囲からどのような評価を受けているのか。
そのうえで、理想のギャップはどうなのか。
現実と理想を並べてみると、
「もっと気軽に相談できる関係をつくりたい」
「自分の意見や仕事に自信を持ちたい」
といった、その間にある違いが見えてきます。
大切なのは、その違いをすべて一度に埋めようとしないことです。洗い出した理想の中から、「少しやってみたいと思えること」や「今の自分でも始めやすいこと」からはじめてみれば良いと思います。
そんな動きの中で、新しい人や仕事、価値観に出会います。その経験によって、自分が大切にしたいものや、さらに挑戦してみたいことが少しずつ見えてくると思います。
自己実現につながるような大きな「やりたいこと」は、最初から完成した形で見つかるものではなく、身近な理想に向かって行動する中で育っていくものなのかもしれません。
前回の記事で書いた「自分の知らない世界へ出る」という行動も、その入口は壮大な夢でなくていいのだと思います。
身近な気持ちから、始めやすいことを一つ選んで動いてみる。
そこから見つけた小さな「やってみたい」が、まだ知らない世界へ進むきっかけになるのではないでしょうか。
ご一読ありがとうございます。
それでは。




