
みなさんこんにちは。はるです。
新しい仕事や活動に取り組んだとき、「自分には向いていないかもしれない」と感じたことはありませんか。
- 人前でうまく話せなかったから、接客には向いていない。
- 計画どおりに進められなかったから、リーダーには向いていない。
- アイデアが出なかったから、企画には向いていない。
私たちは、うまくできなかった経験を「向いている・向いていない」という言葉で整理してしまうことがあります。
もちろん、人にはそれぞれ得意・不得意があります。しかし、一度や二度うまくできなかっただけで「向いていない」と決めるのは、少し早いかもしれません。
「向いていない」の中身を分けて考える
例えば、初めてアルバイトで接客をした人が、お客さんからの質問にうまく答えられなかったとします。
本人は「私は人と話す仕事に向いていない」と思うかもしれません。しかし、実際には商品知識が足りず、自信を持って説明できなかっただけかもしれません。よくある質問や案内の仕方を学べば、自然に話せるようになる可能性があります。
また、初めてプレゼンテーションをした人が、緊張して言葉に詰まったとします。これも、すぐに「人前で話すことに向いていない」とは言い切れません。
- 話の組み立て方を知らなかった。
- 練習時間が足りなかった。
- 資料に情報を詰め込みすぎていた。
- 聞いている人の反応に慣れていなかった。
このように、うまくいかなかった理由の多くは、知識・技術・経験の不足として説明できます。
つまり、「今はできない」と「向いていない」は、同じではないのです。
才能は「自然に出やすい自分のパターン」
では、本当の意味での向き・不向きは、どこにあるのでしょうか。
私は、向き・不向きを考えるうえで、「才能」と「知識・技術」を分けて考えることが大切だと思っています。
ここでいう才能とは、特別な能力を持っていることではありません。ある状況で自然に、無意識に現れやすい、考え方や感情、行動のパターンです。
例えば、初めてのことにも、とりあえず挑戦してみる人がいます。一方で、事前に情報を集め、十分に準備してから動く人もいます。
誰かと話しながら考えがまとまる人もいれば、一人でじっくり考えることで答えを出せる人もいます。
予定が変わることを面白いと感じる人もいれば、計画を立て、そのとおりに進めることに力を発揮する人もいます。
これは優劣ではありません。それぞれが自然に使いやすい「自分なりのパターン」です。
一方で、話を分かりやすく組み立てる方法、計画を作る方法、相手から話を引き出す方法、情報を整理する方法などは、後から学び、身につけていくことができます。
才能が素材だとすれば、知識・技術・経験は、その素材を周囲への価値に変えるための手段です。
線引きは一度の結果では決められない
才能と知識・技術の間には、はっきりとした境界線があるわけではありません。そのため、向いているかどうかを、一度の経験だけで判断するのは難しいものです。
判断するときには、二つの視点が役立ちます。
一つ目は、「学ぶことで伸びているか」です。
やり方を教えてもらい、練習し、フィードバックを受ける。その結果、少しずつできるようになっているなら、最初の難しさは才能ではなく、知識や経験の不足だった可能性があります。
二つ目は、「できるようになったあとも、強く消耗するか」です。
技術的にはできるようになっても、毎回強い苦痛を感じる。長く続けると著しく疲れる。常に無理をして自分を演じなければならない。その一方で、別の役割では自然に集中でき、時間を忘れて取り組める。
こうした違いが続くなら、自分の才能や価値観との相性を考えてもよいでしょう。
言い換えると、
「できない」は、まだ身につけていないだけかもしれない。
「できるけれど、続けるほど強く消耗する」は、自分の特性に合っていない可能性がある。
ということです。
ただし、消耗の原因も本人だけにあるとは限りません。失敗を責められる環境、教えてくれる人がいない環境、役割や目的が曖昧な環境では、誰でも力を発揮しにくくなります。
自分の才能だけでなく、置かれている環境も一緒に考える必要があります。
「向いていない」を問いに変えてみる
「向いていない」と感じたときは、そこで結論を出すのではなく、次のように問い直してみてください。
「具体的に、どの場面が苦しかったのだろうか」
「やり方を知らないのか、やり方を知っていても苦しいのか」
「経験を積めば変わりそうか」
「どんな支援があれば取り組めそうか」
「反対に、どんな場面では自然に力を発揮できたか」
「自分には向いていない」という大きな結論を、「何かまだ足りていないことがあるのか」「どんな環境なら力を発揮できるのか」という具体的な問いに変えることが大切です。
特に若手の時は、まだ経験していないことのほうが圧倒的に多くあります。その段階で向いていないと決めてしまうと、本当は育てられたはずの可能性まで手放してしまいます。
向き・不向きは、最初から答えとして分かるものではありません。
学んでみる。
練習してみる。
誰かからフィードバックをもらう。
少しできるようになった自分が、何を感じるか確かめる。
その積み重ねの中で、自分の才能と、それを周囲への価値に変える方法が少しずつ見えてきます。
「向いていない」は、自分の可能性を閉じるための結論ではなく、自分について深く知るための問いの始まりなのだと思います。
ご一読ありがとうございます。
それでは。




