
みなさんこんにちは。
はるです。
仕事を始めたばかりの頃は、分からないことばかりです。
何度も先輩に質問したり、失敗して落ち込んだり。「早く一人でできるようになりたい」と思いながら、目の前の仕事に取り組んできた人も多いのではないでしょうか。
そして経験を重ね、以前は苦労していた仕事も、自分で進められるようになります。
できることが増えれば、もっと仕事が楽しくなる。そう思っていたのに、なぜか以前ほどの充実感がありません。
「仕事はできている。でも、なんだか物足りない」
そんな感覚について、今回は「フロー理論」を手がかりに考えてみたいと思います。
能力が高まると仕事が充実するわけではない
心理学者のミハイ・チクセントミハイが提唱した「フロー」とは、目の前の活動に深く没頭している状態です。
スポーツやゲーム、何かをつくる作業などで、気づけば時間が過ぎていた。余計なことを考えず、取り組んでいることに集中していた。そんな経験に近いものです。
フローが生まれやすい条件として、挑戦の難しさと自分の能力が、どちらも十分に高い水準で釣り合っていることが挙げられます。
単に「簡単にできる」という状態でも、「難しすぎて手が出ない」という状態でもありません。
持っている力をしっかり使えば、なんとか取り組める。そんな挑戦に向き合っているとき、私たちは深く集中しやすくなるのです。
この視点で考えると、「能力が上がれば、その分だけ楽しくなる」とは限らないことが分かります。
能力が上がっても、取り組む課題が変わらなければ、挑戦とのバランスは変わってしまうからです。
物足りなさは、成長したからこそ生まれることもあります。

例えば、初めて人前で発表したとき。
内容を整理することも、資料をつくることも、相手に伝えることも難しく、準備にはかなりの力を使います。
何度か経験すると、少しずつコツが分かってきます。相手の反応を見ながら話せるようになり、うまく伝わったときには手応えも感じられます。
しかし、同じ内容を同じ方法で発表し続けていれば、やがて慣れてきます。失敗する不安は減っても、新しい発見や達成感は少なくなるかもしれません。
仕事でも同じことが起こります。
以前は精一杯だった仕事が、今は余裕を持ってできる。それ自体は、確かな成長です。
ただ、その成長に対して課題が変わっていなければ、仕事は「力を使って挑むもの」から「慣れた手順を繰り返すもの」に変わっていきます。
楽しくなくなったのは、その仕事に向いていないからでも、やる気がなくなったからでもなく、次の挑戦が必要になっているからかもしれません。
自分の今の状態を整理し、自分は今どの象限に位置しているのか、フロー状態に入っていくためにはどんなことが必要か、そんな問いを立ててみると良いのではないでしょうか。
目標と、手応えが分かるようにする
フロー理論では、挑戦と能力のバランスに加えて、目標が明確であることや、自分の行動に対するフィードバックが得られることも重視されます。「もっとよい仕事をしよう」だけでは、何に集中すればよいのか分かりません。
例えば、「説明後に、相手が次の行動を判断できる資料をつくる」と目標を具体的にし、実際に相手へ確認してみる。
そうすると、自分の工夫が役立ったのか、次に何を変えればよいのかが見えてきます。
気分任せにするのではなく、挑戦する目標と、その結果を確かめる機会をつくってみるのも効果的だと思います。
もちろん、仕事が楽しくない理由は、挑戦不足だけではありません。疲れや人間関係、仕事内容への違和感があるなら、休息や環境の見直しも必要です。
それでも、「できるけれど、物足りない」と感じているなら、その感覚を成長のサインとして捉えてみてもよいのではないでしょうか。
できるようになることは、ゴールであると同時に、次の挑戦を選べるようになることでもあります。
今の自分の力を、次は何に使ってみようか。
その問いが、仕事の面白さをもう一度見つける入口になるのかもしれません。
ご一読ありがとうございます。
それでは。




