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似ていることは、悪いことなのか(新入社員から思うこと)

2026.04.09

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こんにちは、atteyaaのマツイです。

毎年この季節になると、私は少し不思議な気持ちになります。
新入社員の所信表明を聞くのが好きなんです。
緊張で声が震えている人もいますし、
反対に妙に落ち着いている人もいます。

どの顔も初々しくて、
こちらが忘れかけていた何かを思い出させてくれます。
ただ、今年もやっぱり思ってしまうのです。

語ってくれる趣味の話、不思議なほど似ているのです。

スポーツ観戦、YouTube、映画、旅行、音楽。
どれも悪くありません。むしろ自然な答えだと思います。
けれど、ふと思い、立ち止まってみたくなります。

この「似ている感じ」は、いったい何なのだろう、と。

責める気持ちは、まったくありません。
私たちの世代だって「趣味は読書です」「スポーツです」と書いていた人は多かったはずで、
金太郎飴は今に始まった話でもない。
ただ、昔とは少し、質の違う均一さがある気がするのです。

今、私たちはみな、ほとんど同じ小さな画面を見て生きています。
同じSNSを開き、
同じ動画を見て、
同じ話題に乗っかって、
似たようなテンポで情報を流している。

アルゴリズムは「あなた向け」と言いながら、
じつは私たちをひとつの大きな流れの中へ囲い込む。
便利だし、面白い。
それは本当のことです。

自分で選んでいるつもりのものが、
気づかないうちにかなり選ばされているとしたら。
そう考えると、少し怖くなることがあります。

同じ情報を浴びれば、似た感性が育ちます。
似た感性が育てば、似た言葉が並びます。
それは自然なことと言えますが、
だからこそ、その自然さのどこかに、小さな引っかかりを持ち続けていたい。

若い人たちに、一度だけ試してほしいことがあります。
スマホから少し離れて、外に出てみること。
そして自分の内側に、少しだけ耳を傾けてみること。

「本当の外」というのは、画面の向こうではありません。
風の匂い、土地の空気、
偶然の出会い、誰かの表情、場の温度。
自分の足で歩いてみないと分からない世界のことです。

「本当の内」というのは、誰かに見せるための言葉になる前の、自分の感覚のことです。
なぜそれが好きなのか。なぜ気になるのか。
なぜ嫌なのか。なぜ心が動いたのか。
そこを掘らないままでいると、
私たちは意外と簡単に「それっぽい自分」を生きていけてしまいます。

でも本当の自分は、もっと曖昧で、もっと不格好で、
もっと説明しにくいところにいます。
そこに触れた経験のほうが、
きれいに整えたガクチカよりも、
よほどその人を語るのではないかと私は思います。

「自分らしさ」は、今の時代、アピールするものになりました。
強みを整理して、分かりやすく語れることが求められます。
それは社会に出れば確かに武器になるからです。

ただ、その前にもっと大切なことがある、と私は思っています。
自分を「整える」より先に、
自分を「見る」、「自分で」見ることです。

人と違う趣味を持てと言いたいわけではありません。
珍しい経験をしろということでもありません。
自分の目で見たもの、自分の心が本当に反応したものを、大事にしてほしい。
多数派でも、ありふれていても、かまわない。
それが自分の実感を通ったものであれば、それでいい。

世の中は、放っておくと人を均していきます。
便利さは、時に思考を奪います。

自分の輪郭は自分で守らなければならないのだと、私は思っています。
たまにはスマホを置いて、外に出る。
たまには誰の評価も気にせず、自分に問いを向ける。
その積み重ねの先に、「趣味」や「強み」や「自分らしさ」を超えた、
その人自身が立ち上がってくる。

新しい春を迎えた人たちに、そんなことを願っています。

読んでくれてありがとうございます。

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